将棋と数学は似ていると思います。
数学は得意不得意がはっきりしています。これは積み上げ型の学習で、一度つまずいてしまうと、そこから先に学習が進まないということです。暗記や勉強量でカバーすることもできないので、一度苦手になると挽回が難しくなります。
数学は、最初は基本を覚えることから始まりますが、その基本が問題によってさまざまな形で問われてくるので、本質的な理解が必要になります。表面的に暗記をしていてもその理屈の理解が求めれらるのです。一言で言えば、勉強の深さという言葉になるのかもしれません。勉強の量よりも質が問われてきます。
将棋は座学と実戦がセットになっているので、必ず実戦で座学の理解度が問われることになります。座学で学んだことが実戦にそのまま出てくることはありません。似た形から自分の知識を総動員して、自分の知識を当てはめていく作業が必要になります。
初めて見た場面に、「どうしていいか分からない」と動揺してしまったり、立ち止まって思考停止になってはいけません。そこからどうやって現状を打開していくのかを、自分の現状の力量をフル活用して、判断して、行動につなげていくのです。先生や親が助言をしてくれることはありません。自分で考えて、自分で決めて、自分で行動するのです。その選択が成功するとは限りません。失敗を繰り返すこともあります。しかしそれらの経験を経て初めて深い理解が得られるのです。このプロセスを経て得られた知識は自分の血肉となります。本質の理解が得られれば、少し状況が変わっても局面を打開することはできます。これが将棋の学びの楽しさです。
将棋盤と言う小さな平面の世界に、子供たちが数学を楽しく学び、数学を得意科目にする無限の可能性が広がっているのです。
posted by 土浦将棋塾 at 07:28|
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土浦将棋塾(2017年2月から)
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